chikusui

“筑水”は旧農林水産省果樹試験場(現農研機構果樹研究所)で育成された品種です。当園のある栃木県小山市からも遠くに筑波山の二つの峰がよく見えますが、この品種は育成地(茨城県つくば市)近くに筑波山があることから“筑水”と命名されました。梨の品種は収穫時期が早いものから順に「早生」「中生」「晩生」に分類されますが、“筑水”は早生の中でも特に収穫期が早い「極早生」の梨です。当園ではシーズン最初に“おりひめ”の収穫が始まり、追って“筑水”、“幸水”の順に収穫が進みます。

 収穫期が近いので、時期によっては“筑水”“幸水”の収穫を同時に進めることもあります。二つの品種を店頭に並べていると、「味はどう違うの?」とご質問を受けることも多いのですが、“幸水”が甘さとシャリシャリとした歯触りを楽しむ品種であるとしたら、“筑水”はキメの細かい肉質と爽やかな甘さ、そして、ほんのり桃のように香る華やかな風味が魅力的な品種です。果肉は比較的軟らかめですので、硬めの梨が苦手な方にもお楽しみいただけます。毎年、“筑水”の収穫シーズンが終わると、お客様から「“筑水”、もう無いの?」「美味しかったわ」と声を掛けていただける、ファンの多い品種です。

 “筑水”に限らず、“幸水”や“おりひめ”も含めて、夏の梨のお日持ちは決して長くありません。特に近年の猛暑の中、常温で長く置いておかれますと早く痛んでしまう恐れがあります。また、当園では、より美味しい梨をお召し上がりいただくために、樹上でよく成熟するのを待って収穫しておりますが、熟した果実は未熟な果実と比べると、どうしてもお日持ちは短くなってしまいます。お手元に届きましたら、冷蔵庫の野菜室等気温の低い場所で保存し、美味しいうちにお早めにお召し上がりいただくことをお勧めいたします。